2016/10/13
大隅良典博士が見事2016年のノーベル生理学医学賞を受賞されました!
日本人のノーベル賞受賞は3年連続となっており、日本の科学力の高さが世界に認められてきている証ともいえるのではないでしょうか。
さて、ノーベル生理学医学賞を受賞された大隅先生はどのような人物なのでしょうか?
記者会見で垣間見えた人物像は個人的に名言と感じたことなどについて書いていきます。
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大隅良典博士プロフィール
まずは2016年のノーベル生理学医学賞を受賞された大隅良典博士のプロフィールです。
人物像を知る上で参考になりそうなので書いておきます。
1967年 東京大学教養学部卒業
1972年 東京大学大学院理学系研究科博士課程単位取得満期退学
1974年 ロックフェラー大学博士研究員
1977年 東京大学理学部助手
1986年 東京大学理学部講師
1988年 東京大学教養学部助教授
1996年 基礎生物学研究所教授
2004年 総合研究大学院大学生命科学研究科教授
2009年 基礎生物学研究所名誉教授
2009年 総合研究大学院大学名誉教授
2009年 東京工業大学統合研究院特任教授
2014年 東京工業大学栄誉教授
引用元:Wikipedia
プロフィールには書いていませんが、大隅博士の父親は九州大学工学部の教授でした。
大隅博士も東大出身ということで、学びや研究という意味では昔から優秀になる素地があったように感じられます。
現在の所属は東京工業大学で、ノーベル賞受賞時で71歳ということですので、普通の教授ではなく栄誉教授となっています。
70歳を超えても研究を続けられるということで人並みはずれた探究心がうかがえます。
大隅良典博士記者会見名言感想
ニコニコ動画の生放送で大隅良典博士ノーベル生理学医学賞受賞後初の記者会見が中継されました。
さすが科学界最高峰の栄誉であるノーベル賞、報道陣の関心も高く、100人を超える報道陣による記者会見でした。
さて、科学者の方は研究内容などは知られていても実際の人物像や考えていることは一般人である私達にとってはあまり知る機会がありません。
そういう意味でこういった記者会見は興味深く聴かせていただいています。
前置きが長くなりましたが・・・
大隅良典先生の記者会見で語られた名言や考え方への感想を書いていきます。
”●”で始まる太字部分が大隅良典博士の発言です(ただし実際発言されたことと細かい表現の違いがある場合もあることはご了承ください^^;)
●人がやらないことをやろうという思いから、酵母の液胞の研究を始めました
⇒大隅博士は競争に興味がないとのことでした。某有名曲の歌詞にもありますが、ナンバーワンではなくオンリーワンを目指していたようです。
●東大の教養学部のたった1人の研究室に移った時に研究をはじめました
⇒「一緒にやろう」とか「教えて欲しい」というスタンスではなく、自分が切り開いていく!という考え方なのでしょう。
●1つだけ強調しておきたいことは、研究を始めたときに必ずしもガンにつながるとか、人間の××に役立つと考えていたわけではありません。
⇒大隅良典博士は基礎研究者ということで、「これをやったら絶対に役立つ!」というよりは「役立つかどうかわからないけど、関心があるしもしかしたら・・・」という感じで研究をされているようですね。
役立つとわかっていたらもっと多くの人がやるでしょうし、最先端を走るには「わからないけれどもチャレンジ!」が重要なのかもしれません。
●感謝の言葉を述べる
細かい言葉は長くなるので割愛しますが、大隅良典博士は様々な人に感謝の言葉を述べられていました。
その相手は
・大学院生
・ポスドク
・2人の共同研究者(水島昇氏、吉森保氏)
・2人の先生(今堀和友氏、安楽泰宏氏)
・今はなき両親
・家族、妻万里子さん
⇒2015年にノーベル生理学医学賞を受賞された大村智博士もそうでしたが、やはり感謝するというのは何かを達成するために重要なことなのでしょう。特に生理学医学の分野は人間を対象として研究するのでその傾向が強いのかもしれません。
●あまり競争は好きではありません。人がやってないことをやることが実はとっても楽しいんだということがサイエンスのある意味本質だと思っています。
⇒先述ですが、オンリーワンがサイエンスの本質とのお考えでした。
基礎研究、応用研究両方ともに重要だと私は個人的には思っていますが、大隅良典博士は基礎の研究者であり、基礎ではこのような考え方を持つことがトップまで上り詰めるのに重要な要素なのでしょう。
超一流の基礎研究者らしい発言ということで、次のような発言もありました。
●液胞というみんな本当にゴミだめだと思っていたことの研究を始めました。
●サイエンスってどこに向かっているのかわからないことが楽しいこと。
●「これやったら必ずこういう良い成果につながります」というのは大変難しいことだと思います。
それを許す社会的余裕を望んでいます
⇒”社会的余裕”という表現が格好良いなとシビれました^^
一般的なレールからはずれている人を受け入れるくらいの社会があれば、人数としては少ないかもしれないですがそのレールからはずれた人の何人かはすごいことをやってのけるかもしれないですからね。
日本もそういった余裕のある社会になれる日がくるでしょうか^^
●研究者にはいろいろなモチベーションがあって、「こうあらなければならない」というのは無いと思っています。
若い人に「自分は何に興味があるのか?」というのを考えてみてほしい、と思っています。
⇒”自分は”というのがポイントかな、と感じました。
何をするかは教えてもらうものではなくて自分でみつけるもの。
●今は自分の興味を伸ばすのが難しい時代になっていると思う
世の中には「あれ」っと思うことがとってもたくさんある。その気づきを大事にしてほしい。
わかったような気分になっていると何もわかっていないということは世の中にはたくさんある。
「何で?」をとても大切にする子供達が増えてくれると日本の科学の将来は安泰だと思う。
いろんなことにチャレンジしてくれる子供達が増えてくれることを望んでいる。
⇒未来を担う子供達へ、大切なメッセージだと思いました。
「何で?」と問いかける力は、研究だけじゃなく、社会にでて必ず必要になってくる力。
強い子供達がこのメッセージで増えてくれると良いなと思います。
●「役に立つ」という言葉は科学をダメにしていると思っています。
本当に役立つのは10年後かもしれないし100年後かもしれない。
そういうことを認めてくれる社会になって欲しい。
⇒過激発言^^;
さすが基礎研究者です^^
でもここまで読んでいただけた人には大隅良典先生の真意は伝わっていると思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
様々な名言が早速とびだしていた大隅良典博士。
私も今日から”人がやらないこと”をやります^^
あなたも心に響く名言をみつけることができていたら良いですね。